YHWHという単語に出くわしたら、あなたはどう発音しますか?子音文字ばかりで母音がないので、読みようがありませんね。これは旧約聖書の神の固有名詞だったのです。これでは実際にどう発音していたのかわかりませんし今日でも謎のままですが、一応は「ア」とか「エ」という母音を加えてヤーウェ(Yahweh)と読んでいます。
昔のユダヤ人は「神の名をみだりに唱えてはならない」(出エジプト記20:7)という戒めから、神の名を唱えることを避けて、アドナイ(主とか主人という意味です)と発音していましたが、これがヤーウェ(Yahweh)と混同されてエホバ(Jehovah)という呼び名が生じました。しかしその後、エホバは誤読であってヤーウェと発音するほうが正しいとされるようになりました。(異端とされている「エホバの証人」とか「ものみの塔」という宗派では今でも誤読のままホバエを用いています)。
今日の英訳聖書ではほとんどがYahwehの代わりにthe Lordを用いていますが、昔はJehovahを用いていました。たとえば、1611年の欽定訳聖書ではJehovahです。わが国の文語訳聖書もエホバです。ダビデの詩といわれる有名な詩篇23篇はほとんどの英訳聖書でThe Lord is my shepherd …で始まりますし、今日の日本語の聖書でも「主はわたしの羊飼い」が普通ですが、昔の文語訳聖書に親しんでこられた年配の方は「エホバはわが牧者なり/われ乏しきことあらじ/エホバは我をみどりの野にふさせ/いこひの水濱(みぎは)にともないたまふ」を思い出されることでしょう。
The LORD is my shepherd, I shall not want.
He makes me lie down in green pastures;
he leads me beside still waters;
he restores my soul.
He leads me in right paths for his name's sake.
Even though I walk through the darkest valley,
I fear no evil; for you are with me;
your rod and your staff--
they comfort me.
You prepare a table before me
in the presence of my enemies;
you anoint my head with oil;
my cup overflows.
Surely goodness and mercy shall follow me
all the days of my life,
and I shall dwell in the house of the LORD
my whole life long.
--New Revised Standard Version, Psalms 23:1-6
《訳》
主は私の羊飼い。
私は乏しいことがありません。
主は私を緑の牧場に伏させ、
いこいの水のほとりに伴われます。
主は私のたましいを生き返らせ、
御名のために、私を義の道に導かれます。
たとい死の陰の谷を歩くことがあっても、
私はわざわいを恐れません。
あなたが私とともにおられますから。
あなたのむちとあなたの杖、
それが私の慰めです。
敵の前で、あなたは私のために食事をととのえ、
私の頭に油をそそいでくださいます。
私の杯は、あふれています。
まことに、私のいのちの日の限り、いつくしみと
恵みとが、私を追って来るでしょう。
私は、いつまでも、主の家に住まいましょう。
--日本聖書刊行会「聖書」(新改訳)
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最終更新日:
初出展:
(980518)
■ want ≪自動詞≫ 「事欠く、困窮する」 ■ pasuture 「牧場」 ■ restore 「生き返らせる、回復させる」 ■ right path 「正しい道、義の道」 ■ comfort 「慰める」 ■ in the presence of ... 「...の前で」 ■ anoint 「塗油により聖別する、神に献げる」 ■ goodness and mercy 「慈しみと恵み」 ■ dwell 「住む」 |