目から鱗 (something like scales〔fell from his eyes〕)

これは「ダマスコの回心」とか「サウロの回心」といわれる有名な場面に出てくる表現です。という言葉が出てくるのは新訳聖書ではここだけ*です。サウロ Saul は後の使徒パウロ Paulのヘブライ名です。

熱心なユダヤ教徒でファリサイ派の一員であったサウロは、はじめはキリスト教徒を迫害していました。彼は、キリスト教徒を見つけたら男女を問わずつかまえて縛り上げ、エルサレムに連行するために旅に出ました。ところが、サウロがダマスコに近づいたとき、突然、天からの光が彼の周りを照らしました。サウロは地に倒れ、「サウロ、サウロ、なぜわたしを迫害するのか」と呼びかける声を聞きました。サウロが、「主よ、あなたはどなたですか」と言うと、「わたしはあなたが迫害しているイエスである。起きて町に入れ。そうすれば、あなたのなすべきことが知らされる」との答えがありました。サウロは地面から起き上がって目を開けましたが何も見えませんでした。

ダマスコにアナニアというキリスト教徒がいました。主は幻のなかでアナニアに現われ、「サウロの上に手を置いて、『兄弟サウロ、あなたがここへ来る途中に現われてくださった主イエスは、あなたが元どおり目が見えるようになり、また、聖霊で満たされるようにと、わたしをお遣わしになったのです』と言え」と言われました。アナニアがそのとおりにすると、たちまち目からのようなものが落ちて、サウロは元どおり見えるようになりました。そこでサウロは身を起こしてアナニアから洗礼を受け、食事をして元気になりました。かくて彼は迫害者から宣教者へと大転向をしたのです。

Now as Saul was going along and approaching Damscus, suddenly a light from heaven flashed around him. He fell to the ground and heard a voice saying to him, "Saul, Saul, why do you persecute me?" He asked, "Who are you, Lord?" The reply came, "I am Jesus, whom you are persecuting. But get up and enter the city, and you will be told what you are to do." Saul got up from the ground, and though his eyes were open, he could see nothing; . . .

Now there was a disciple in Damascus named Ananias. . . . . He laid his hands on Saul and said, "Brother Saul, the Lord Jesus, who appeared to you on your way here, has sent me so that you may regain your sight and be filled with the Holy Spirit." And immediatelysomething like scales fell from his eyes, and his sight was restored. Then he got up and was baptized, and after taking some food, he regained his strength. (Acts 9:3-19)

最終更新日:

初出展:
(971208)

英文は New Revised Standard Version の「使徒言行録」 9章3-19節を要約したものです。省略のためテキストの一部を変更してあります。

■ as Saul was going along=when Saul went along
■ a voice saying to him . . .「彼に向かって…と言う声」
■ persecuting「迫害している」
■ disciple「弟子」
■ He laid his hands on Saul and he said, " . . . "「サウルの上に手を置いて彼は『…である』と言った」
■ that you may regain your sight「あなたの視力が回復するように」that 〜 may . . . は「〜が…できるように」という《目的》を表わします。

*「鱗」は旧約聖書では、「水中の魚類のうち、鰭(ひれ)、鱗のあるものはすべて食べてよい。しかし、鰭や鱗のないものは、一切食べてはならない。それは汚れたものである。(「申命記」14:9-10)」《ユダヤ教の掟》のように計7回出てきます。